
日本酒や飲み物にこだわるお酒好き必見!爽やかな甘さが際立つ、おすすめのどぶろく(十二六)
日本酒はおいしい!甘酒も好き!この二つを組み合わせたら最高じゃないですか?
今回はそんな“最高の飲み物”を紹介します。
どぶろくは簡単に言えば、搾る前の日本酒です。タンクでぶくぶく発酵している醪(もろみ)を袋に入れて搾ると、出てきた液体が「日本酒」になります。袋に残った粕は「酒粕」(甘酒のもと)になります。つまり、どぶろくは醪をそのまま飲み物にしたものです。
実は2種類あるどぶろく
「じゃ、甘酒を作って、そこに日本酒を混ぜたら同じじゃないの?」という発想も出てきますが、答えはYesであり、Noでもあります。なぜなら、どぶろくは「火入れ」と「生」の2種類に分かれます。
「火入れタイプ」のどぶろく
どぶろくはタンクでぶくぶく発酵している醪でしたね。ぶくぶくガス出し続けている醪をビンに入れて蓋すると爆発します。それを防ぐため、醪を加熱して酵母菌などの生き物たちを殺します。火入れタイプのどぶろくにこの加熱による“殺菌作業”が施されます。
火入れどぶろくの味はまさに「家で甘酒を作って、そこに日本酒を混ぜた」ものです。甘酒に日本酒を加えれば、確かにお子ちゃまの飲み物からアップグレードしますよ。しかし、それは“アルコール入りの甘酒”でしかありません。呑兵衛の私たちには物足りない感じです。
「生タイプ」のどぶろく
どぶろくの真骨頂!どぶろくと言えばこの生タイプです!
生タイプのどぶろくは加熱されていないため、生き物たちがみんなワイワイ状態です。タンクから汲んだぶくぶくの醪をそのままです。酒蔵見学を1回でもしている呑兵衛ならば、あのタンクの中に落ちて溺れてしまいたいと夢みたことあるでしょう。生のどぶろくはその感覚を少しだけ叶えてくれます。
特記事項がない限り、ここから出てくる「どぶろく」は生タイプのどぶろくを指します。
どぶろくの特徴
日本酒の“前身”ではあるものの、日本酒と比べていくつかの違いがあります。
販売期間が短く、見つけるのが難しい
どぶろくは販売期間が限られています。入手できるのはだいたい秋から冬の10月~3月の間です。取り扱っている酒屋さんも少ないため滅多に出会えません。店で見つけたらラッキーです。飲みたい場合は「どぶろくが来るのではなく、どぶろくのところに行く!」という心構えが必要です。
フタに穴が開いている
発酵し続けるものをビンに詰めて密閉すると爆発します。キムチが爆発する原理と同じです。
どぶろくは爆発を防ぐため、フタに小さな穴が開いています。その穴からガスが放出されるから爆発せずに済みます。外から何も入らないように、フタに紙が被されています。このフタの穴と紙が生タイプのどぶろくを見分けるポイントでもあります。

しかし、穴が開いていることによる問題もあります。ビンを常に立たせたままにする必要があります。倒したり、買い物袋の中で横になってしまったら最後。どぶろくの流出事故ほど悲しいことはありません。
温度管理が命
どぶろくは醪をそのままビンに詰めたものなので、ビンの中でも発酵し続けています。温度が上がると酵母たちがさらにワイワイして発酵が進むため、常に冷やしておくことが重要です。つまり、店で買ったら、なりふり構わず家に直行するのみです。
おすすめのどぶろくとおすすめの楽しみ方
十二六(どぶろく)一択
それぞれの酒蔵が作るどぶろくはおいしいですが、私が一番気に入っているのは長野の佐久市にある武重本家酒造の「十二六(どぶろく)」です。スッキリした甘さとフレッシュな味わい、微発泡のシュワシュワ感など、それぞれのバランスが絶妙です。

見た目はパッと見てヨーグルトですが、近づいてみると米粒が見えてきます。出来立てのどぶろくは米がまだ少々硬く、軽く噛みながら飲む感じですが、日にちが経つに連れて米がだんだん柔らかくなっていきます。麹菌が米を分解していく様子が舌で分かります。発酵食品万歳!

武重本家の十二六(どぶろく)は600ml入りビンと1440ml入りのペットボトルがあります。言うまでもなく、私はペットボトル派です。ビンは一瞬で消えますから。
ドライフルーツとの相性抜群
たまに15時のおやつとしてどぶろく飲んだりしますが、ちょうどその時間帯にはなんか食べたくなります。どぶろくは結構甘いので、しょっぱいものはあまり合わない気がします。とはいえ、チョコもなんか違う。
色々試した結果、一番良かったのはドライフルーツでした。甘さの“波長”が合います!しかも、フルーツの香りも足されますので、「フルーツ味のどぶろく」が出来てしまいます。作り方は簡単です。好きなドライフルーツを口に入れて、ある程度噛み砕いたあと、どぶろくを一口飲みます。口の中で両方が混ざり、祭り状態です!ただし、行儀悪い食べ方なので、人の前でやらない方がいいです。

ドライフルーツは甘すぎず、フルーツの香りが強めのものがいいです。Tsuruyaのドライフルーツがベストだと思います。ベリー系や柑橘系との組み合わせが最高です!是非どぶろくと一緒に試してみてください。
■十二六-どぶろくの情報
・作り手:武重本家酒造
・販売期間:だいたい10月~3月の間
・量:ビン(600ml)とペットボトル(1440ml)があります
・その他情報:長野県の佐久市にある酒蔵で、4月に酒蔵を開放するイベントがあります。「十二六-どぶろく」は“御園竹のどぶろく”とも呼ばれることがあります。
■十二六どぶろくを入手できる場所
・酒屋:まるやま酒店
・電話:026-245-0387
・FAX:026-248-9901
※店頭では販売していません。電話またはFAXから注文できます。店主は唎酒師(ききさけし)で豊富な知識を持つ。
どぶろく(十二六)についてもっと知りたいというあなたへ
日本酒が好きになると、その銘柄を作っている酒蔵さんも気になりますよね。そんな素晴らしいどぶろく(十二六)を作っている武重本家酒造は毎年蔵開きをやっているんです。見た目から伝統と歴史が伝わる酒蔵を見学して、作り手のこだわりを五感で体験したい方は武重本家の酒蔵開放2023年を是非チェックしてください。

