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雪、スノーシューと峰の原の不思議な魅力 – 須坂観光協会の粋なイベントで運動不足と知的好奇心を満たす

長野県の冬は寒い。異次元の寒さと乾燥したサラサラの雪は東京では絶対体験できない。そんな冬の良さを全身で感じるため、標高1,500メール以上ある峰の原高原でスノーシュー体験に行った。しかし極寒の雪山で見つけたのは、寒さを忘れさせる人々の激アツな思いだった。

一通の「虹のほほえメール」から始まった冒険

長野県、長野市の東側にくっついている須坂市に移住してからまだ1年ちょっと。1年目は引っ越しの片づけなどで忙しくて、周辺を見る時間がほとんどなかった。今年に入ってから状況が落ち着き、周りを散策しようと思ったときに、須坂市独自の情報メール「虹のほほえメール」から須坂観光協会のイベント情報が入った。

メールを見たときに衝撃が走る

峰の原高原でスノーシュー体験?!前から峰の原という地名は聞いていたものの、まだ一回も行ったことがなかった。長く続いていた仕事でケツが椅子の形になって、かなり運動不足だったので、タイミング・内容ともちょうどいい。早速須坂観光協会のイベントページから参加を申し込んだ。

スノーシューはレンタルで参加費に含まれているので、必要なのは適切な服装で行くことだけです。スキーウェアは高くてまだ買ってないので、中は調節しやすいユニクロ、外はモンベルで良さそうなレインウェアに。靴も温かくて防水性のあるスノーブーツがベストですが、山登り用に買ったブーツで十分。

峰の原は冬でも意外とアクセスしやすい

集合場所は峰の原にある「こもれびホール」の駐車場。ナビに住所を入れて、険しい雪の山道を覚悟していたが、その心配は全くいらなかった。峰の原への道のりはほんとんど菅平へ行くときと同じ(国道406号)で、既に何回か走っていた。2月の雪が厳しい時期でも道路がキレイに除雪されている。くねくねの406号を上り切ったところに左に曲がる道があり、そこから3キロぐらいで集合場所の「こもれびホール」に到着。須坂駅から30分ぐらいなので、思ったより近く、行きやすい場所だった。

こもれびホールでは須坂観光協会の方と、今回のスノーシューのガイドと合流。簡単なストレッチをしてから、スノーシュー体験が始まった。

スノーシュー、ソーチャク!

スノーシューは不思議な形をしている器具だ。「かんじき」みたいなものってよく言われますが、かんじきも見たことないのでピンと来なかった。一言でいえば巨大なシュニッツェルです。百聞は一見に如かずなので、写真を見てください。

ノーシュー – アルミフレームの皮やストラップ添え

複雑な装置に見えますが、取り付け方は意外と簡単。つま先をビンディングに入れてストラップで固めて、ゴムベルトで踵を固定するだけ。

スノーシューの前の固定部分
スノーシューの後ろの固定部分

固定方法を考えると、甲の部分が固い靴を選んだ方がいい。スニーカーはさすがに無理だけど、目玉が飛び出るぐらいの値段がする専用靴を買う必要はないだろう。莫大な初期投資を必要とせず、気軽に楽しめることがこのスノーシュー体験のいいところだと思った。

歩き方も思ったより簡単で、5分もしない内に参加者全員が普通に使いこなしていた。前の人が踏み固めたところを歩く方が楽だが、ふかふかの雪でも足がそれほど沈まず、軽いマーチングで簡単に前進できます。スノーシューの下の部分には鉄の歯が出ているため、スルッと滑ることはほとんどない。

正月太りが気になる時期のおすすめのアクティビティ

年末年始、いつもより美味しいものをいつもより多めに食べてしまいます。1月半ばになるとその結果が如実に現れます。お腹に”貯まった栄養”は運動で絞るしかない。とはいえ、近所のジョギングや家の中でできる運動じゃ気分が乗らない。

その時におすすめしたいのはこのスノーシューです。低強度の運動なので、関節や筋肉への負担が少ない。しかし、低強度の運動を2時間も続けるといい脂肪燃焼になります。さらに、年末年始は家に閉じこもっていたから出かけたい、山のいい空気を吸いたい、新しい年に新しいことに挑戦したいという気持ちも満たしてくれます。スノーシューは一石何鳥にもなります。

スノーシューを自由自在に使いこなす参加者たち

峰の原の神、現る

今回のスノーシュー体験はひたすら歩いて、運動不足を解消しながら脂肪を燃やすアクティビティだと決めつけていた。ガイドさんもまた、スノーシューの使い方や歩いていい場所、歩いてはいけない場所を教えるだけの人だと思い込んでいたが、とんでもない。

今回の体験で快くガイド役を買って出たのは、峰の原の“生き字引”と呼ばれている古川さんです。

古川さんは峰の原で35年以上の歴史を持つペンション「スタートライン」のオーナーであり、自然の中で人生を最高に楽しむ方法を知っている粋な男です。歩きながら峰の原の特徴、周辺地形の成り立ち、その地域で人類が築いてきた歴史などについて説明してくれました。

みんなと雪遊びに興じる古川さん

神がかり的な話し方と内容はとにかく面白く、聞く人の注意を惹きつけ、さらに好奇心を掻き立てます。「もっと知りたい!」と心をくすぐられた参加者から質問が相次ぎ、そのやり取りから生まれる楽しさと一体感が、このスノーシュー体験を魅力的なイベントにしていると思った。

雪の中の散歩が続き、ハイジが絶対乗らない巨大なブランコが出てきた。峰の原には“家族全員で雪を楽しむ”ことをテーマとしたパーク「REWILD NINJA SNOW HIGHLAND(リワイルドニンジャスノーハイランド)」がある。その目玉の一つに、高さ8mの「パノラマロングブランコ」があり、恐怖の中にある爽快感を楽しみながらアルプスを一望できる。

神に見放され、恐怖と爽快感が交錯する巨大ブランコを“楽しむ”参加者

新たな価値観に気付かせる唯一無二のイベント

運動不足だけを解消すればいいと思って申し込んだスノーシュー体験。参加してみたら、ただの運動だけでは得られない充実感と幸福感が待っていた。峰の原の自然、その自然の中で遊ぶ楽しさ、その楽しさの中で得られる知識と、その全てをより多くの人に伝えたいと願う熱い人たち。新たな価値観に触れ、人生を本気で楽しむことを教えられた気がします。

人生で重要なことを気づかせてくれる唯一無二の体験

須坂観光協会は季節に合わせて、都内ではなかなか味わえないイベントを主催しています。興味がある方は確認してみてください。
・須坂観光協会
https://www.suzaka-kankokyokai.jp/

今回のスノーシュー体験で目玉といっても過言ではない古川さんに会ってみたい方は直接ペンションに問い合わせてみてください。古川さんは人間の形をしたパワースポットです。
・ペンション スタートライン
https://oldriver4.wixsite.com/startline

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